三分間法話「田井証志」

田井証志

法話を聞く

 こちらは西山浄土宗総本山光明寺テレホンセンターの田井証志です。私が大学生の頃、茶道を習っていた時に出会った言葉があります。
「稽古とは一より習い十を知り、十より返るもとのその一」
これは千利休の茶道の心得の一つであります。この心得は、日々精進を重ね一から十まで習ったとしてもまたはじめの一に立ち返る事で習得したことに磨きをかけたり見落としていた箇所をあらたに見つけたりすることができるという意味です。つまり一度さらっとお稽古しただけで満足するんではなく、何度も何度も復習することで身につけていくことが大切であるということです。
 
 茶道での基本的な作法の一つにふくさだたみというものがあります。茶道の作法はまずふくさを広げることから始まります。そしてそのふくさでこれから使うお道具を浄め、そしてお茶を点てるという作法に入っていきます。茶を点てた後、またこのふくさで使ったお道具を浄め直してふくさをたたみ直して作法が終わっていくんです。茶道の作法は、大変奥が深くひと言では表現できません。しかしこの基本的なふくさだたみをきれいにできなければその一つの流れは途絶えることになります。
 
 この利休さんの心得は私たちの生活の中でも活きてくるんではないでしょうか。
 
 例えば、毎日笑顔でおはようと挨拶できているかなあ。時間を守っているかなあ。悪いことをしたら素直にごめんなさいと謝っているかなあ。人に悪口を言っていないかなあ。人の物を盗ったりしていないかなあ。ご飯を食べる時にいただきます、ごちそうさまでした、といつも言えているかなあ。幼稚園で習うようなことを今もできているかなあと初心に戻って自分自身を振り返ることと同じことではないでしょうか。
 
 阿弥陀様の御前で手を合わせ、心の中で今日一日の思いや振る舞いを振り返ってみることも大切なのではないでしょうか。お電話ありがとうございました。

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