梵鐘

私たち小坊主の朝一番の仕事は夜明けを知らせる鐘を撞くことです。冬は6時、夏は5時の時報に合わせてゴォーンと鳴らします。この鐘撞きに慣れるまでは、ちゃんと起きて鳴らすことができるかどうか心配で、前の晩はよく眠れないほどでした。失敗はもちろん許されませんが、本山部長さんや先輩の方々にしかられるのが怖いばかりではありません。この鐘は粟生に住む、光明寺の檀家のみなさまの耳に必ずとどきますから、時間に遅れたりしたら、たちまち「寝坊小坊主」として有名になってしまいます。私たちは毎月の月参りに檀家さんのお宅にうかがいますから、いったん「寝坊小坊主」として知られたら、毎月恥ずかしい思いをしなければなりません。
 「あの鐘はなぁ、ゴォーンと鳴るやろ?仏様のご恩を思い出せということなんや。忘れたらあかんなぁ・・・」
 なんて、やさしくお諭しくださる檀家さんもいらっしゃいます。え?なんで私が知っているかですって・・・それは・・・
さて、1949年に鋳造されたこの梵鐘は「遣迎鐘」(けんこうがね)と呼ばれています。発遣の「遣」と来迎の「迎」。つまり、極楽をお勧めくださるお釈迦様と、お浄土から迎えに来られる阿弥陀さまが、鐘と撞木のように出会うことを象徴しているのだそうです。広谷の谷間に柔らかにこだましていく音は格別です。特に冬の寒さのきびしいときは美しく聞こえますので、今年の大晦日にはぜひ除夜の鐘を聞きにいらしてください。
紅葉期は大変混雑しますので公共交通機関をご利用下さい。光明寺には駐車場はございません。また近隣は全面駐車禁止です。